WHAT'S THIS
新型コロナウイルスに関する各種検査
抗原検査をはじめ、PCR検査や抗体検査についての解説
CHARACTERISTICS
それぞれの検査の特長
現在の感染の状況を調べるのがPCR検査と抗原検査で、抗体の有無から過去の感染状況を調べるのが抗体検査です。
【PCR検査】
最も高精度な検査がPCR検査です。ウイルスの遺伝子を増幅させ、その量を測定する方法で、少量のウイルス量で検出できるメリットがあります。ただし、急増する感染者数に対して検体採取を行う医師や検査機器の不足、さらに測定時間が長い事等から、現場ニーズに対して検査数が増えないという問題が生じていました。
【抗原検査】
PCR検査に替わる検査手段のひとつして導入されたのが抗原検査です。抗原検査は遺伝子情報ではなく、ウイルスを特長付けるたんぱく質(抗原)を調べる検査です。 PCR検査と比べて一定以上のウイルス量が必要ですが、簡単に自己採取ができ、廉価且つ簡易な検査方法として一気に市場に流通してます。
※ロシュ・ダイアグノステックス株式会社資料より
コロナウイルスの陽性検出の期間
コロナウイルスの検査で陽性を検出できる期間は、検査方法(PCR検査/抗原検査)や検体(鼻咽頭/鼻腔)、ウイルス量によって異なります。
例えば、抗原検査(定性)は発症0~9日の間で有効とされていますが、発症前であっても検出に十分なウイルス量があれば陽性として検出できる可能性が高いと考えられてます。
こうした抗原検査の特性を活かし、感染拡大地域における医療機関や高齢者施設等での日常的なスクリーニング検査で抗原検査が活用されています。また、現在ではヘルスケア施設だけでなく、一般職域やオフィス等でも広くスクリーニング検査を行うことで、感染拡大を未然に防ぐ取り組みが進んでいます。
※ロシュ・ダイアグノステックス株式会社資料より
無症状者に対する検査の位置付け
無症状者を対象としたスクリーニング検査の利用は公式には推奨されていません。
ただし、今年6月に行われた新宿区の歌舞伎町の飲食店を対象とした抗原検査の実証実験を皮切りに、各方面で無症状者を対象とした抗原測定が広く実施され始めています。
サイレントスプレッダー(無症状で感染を周囲に拡大)を見つけ出す対策として、抗原検査に高い期待が寄せられています。最近では都医師会がホテルイベント会場で抗原検査を実施した取り組みが話題を集めました。
ウイルス感染力を持つ無症状者を早期に見つけるために、抗原検査による職域確認は今後、一層重要となっていきます。
■ PCR検査・抗原定性検査の位置付け(「病原体検査の指針(第4版)」)から抜粋
※1:有症状者への使用は研究中。無症状者への使用は研究を予定している。
※2:使用可能だが、陰性の場合は臨床像から必要に応じてPCR検査や抗原定量検査を行うことが推奨される(△)
※3:推奨されない(ー)
※4:確定診断としての使用は推奨されないが、感染拡大地域の医療機関は高齢者施設等において幅広く検査を実施する際にスクリーニングに使用することは可能。ただし、結果が陰性の場合でも感染予防策を継続すること、また、結果が陽性の場合であって医師が必要と認めればPCR検査や抗原定量検査により確認すること。